あらゆる死刑執行に抗議する会長声明

　当会は、日本弁護士連合会が、第５９回人権擁護大会（平成２８年１０月７日）において採択した、「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」に基づき、死刑執行に反対しています。理由は数多くありますが、当会が訴えたいことは三つです。まず、何より死刑は重大な人権侵害であり、如何なる理由であっても、国家が国民の生命を奪うことは許されないということです。そして、裁判は人がなすものである以上、誤判・えん罪の可能性を完全に払拭することはできません。最後に、国連の自由権規約委員会、拷問禁止委員会や人権理事会が、死刑執行を停止し死刑廃止を前向きに検討するべきであるとの勧告を何度も行っていることです。もとより、当会は同時に犯罪被害者・遺族に対する支援制度の改善・向上は喫緊の課題であると認識しており、それにも全力を挙げて取り組む所存です。

　よって、当会は、対象者が誰であるかに拘わらず、今回の死刑執行に対し抗議するとともに、政府に対し、死刑の執行を直ちに停止し、２０２０年までに死刑制度の廃止を目指すことを求めます。　

以　上

２０１８（平成３０）年１２月２８日

金沢弁護士会会長　　小堀　秀行